中年男のやってみよう!調べてみよう!

しがない中年のおっさんがいろいろ調べたり挑戦したりしたことを書き連ねていきます

鳥の落としもの問題を考えてみた

その日、私は江ノ島海岸の入口にある階段に腰掛けて、制服姿のまま水と戯れるJKの生脚を眺めながら 浜辺のその先に寄せては返す波を眺めながら、優雅なひと時を過ごしていた。

その時である。

ペチョ!!

???

一瞬の沈黙の後に確認した私のズボンには、半径1センチほどの白い物体が付着していた。上空からの落とし物を見事に被弾してしまったのだ。

上空を見上げると、何羽かの鳶が旋回しながら飛行を続けている。おそらく、奴らの中の一羽のケツの穴から放たれたものなのだろう。しかも、私の頭上に伝線や電信柱は無いので、どうやら飛行中に投下されたブツを被弾してしまったようだ。

広い浜辺で何の気なしに鳶が放ったフンが私のところに落ちてきた、とも考えられるが、ピンポイントに私のところに落ちてくる、というのは偶然にしてはできすぎていないだろうか? 奴は意識的に私を狙って投下した可能性は無いのだろうか?

というわけで、私に着弾させるためには、鳶はどのようなタイミングでブツを投下したら良いのか、そのことを物理的に検証してみることにした。

この状況を物理の期末試験風にするならば、以下のような形になると思う。

【問1】
上空10mを時速40km/hで飛行している鳥が脱糞して、それが地上にいる座っている人に命中させようとしている状況を考える。地上の人の座高を1mとしたとき、鳥は目標の何m手前でブツを投下すればよいか?

【解答】
この問題を図にしてみよう。A地点から投下すると、ちょうど私の足元に到達し、B地点から投下すると、今度は私の頭のてっぺんに到達するので、目的を達成するための投下位置は「A地点とB地点の間」ということになる。

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ここから先は数学の計算になりますので、別に興味ないわー、という人はこの先の計算式が書かれている部分は飛ばしてください。

こういう物理(力学)の問題を解くときには、「注目している物体の運動方程式を立て、それを積分して結果を求める」というのが基本になる。この場合、注目している物体というのは鳥のフンであるから、これについての運動方程式を立てる。

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つまり、目標の15.0~15.9m地点で爆弾を投下すれば、自らのフンを私に命中させることができるということになる。理系出身の私がレポート用紙1枚使って行う計算を、私にフンを着弾させるという目的のためにやっていたとは、鳶の奴もなかなかに賢いではないか(しかも便意を催している最中に!)。

さらに、この計算を通じて私が驚愕したことがもう一つある。

鳶が今回求めた15.0~15.9m地点まで、0.9m進むのにかかる時間を計算すると、飛行速度11.1m/sなので、0.9÷11.1、つまりこの間の時間は0.08秒しかない。私に命中させるためのスイートスポットは、針の穴ほどしかないということになる。

この難易度の高いミッションを遂行するためには、単に積分計算ができるというだけでは無理だ。ブツを肛門の直前に常時スタンバイさせておいて、飛行位置がこの0.08秒の区間に突入した瞬間、間髪入れずに肛門を開放し、すみやかに爆弾を放出しなければいけない。トイレに入って脱糞の前にはとりあえず屁をこいて、などど悠長なスタンスをとっている人間の私には到底真似のできない芸当だ。

鳥の長所と言えば、せいぜい空を飛べるだけかと思っていたが、このように考えてみると複雑な積分計算をこなすだけでなく、自らの生理現象までも緻密に操っていることを発見し、その優れた能力に感嘆した一日だった。